国学力テスト「意見交換」で好成績 県検証委が分析、最終報告

 全国の小学6年生と中学3年生を対象に昨年行われた全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の県内分の結果を分析していた「県検証改善委員会」の最終報告を兼ねたフォーラムが22日、佐賀市の佐賀大で開かれた。小中学校の教諭ら約450人が訪れ、熱心に耳を傾けた。(丸谷一郎)
 学力テストは昨年4月に国語と算数・数学で実施され、同年10月に結果が公表された。県内の平均正答率はいずれも全国(公立のみ)を下回り、知識問題に比べて活用問題の正答率が低い傾向が見られた。

 昨年11月に発足した県検証改善委のメンバーは、佐賀大教授や県教委指導主事ら14人。5回の会合を経て分析結果をまとめた。代表の井上正允・佐賀大教授は「結果の活用法は一律ではあり得ない。各学校の取り組みが大切」と述べた。

 その上で、国語では、自分の考えを話したり書いたりすることや、友達との意見交換などを多く取り入れている学校で正答率が高かったと報告。算数・数学については、教職員が授業を参観し合っている学校や、問題を解く過程を友人や教諭に説明させている学校で活用問題の正答率が高かったことを紹介した。

 テストの問題を作成した国立教育政策研究所教育課程研究センターの樺山敏郎学力調査官と柴田義松・東大名誉教授、井上代表によるシンポジウムも行われた。樺山調査官は「国語では、複数の情報を整理して書く力が全国的に低く、県内でも同じ」と説明。柴田名誉教授は「覚えるだけでなく、考える勉強が重要」と強調した。
(2008年3月23日 読売新聞)