ちょっとそこまでおつかいに。
ひよこ先生のいる、母校の脇をゆっくりあるく。
掃除時間のようだ。生徒さんたちがたくさんいる。
でも、ひよこ先生は、いない。
ちょっとほっとして、ちょっとがっかり。

ちょっとそこまでおつかいに。
あいにくヒールの高い靴だったので、早足にはなれない。
これ幸いにと、見慣れた道をゆっくりあるく。
学校の中を突っ切るなんて、そんな大胆な事はできないけど。


あのときもっと素直になっていたら、よかったな。
きっと、かわいくないって思ってるんだろうな。
意地っ張りで、だけど、おかげさまでうまくやってるよ。
あなたと一緒。周りの先生みんなにかわいがっていただいてるよ。




異動する前に、顔見せてくれるかな。
それとも、異動の報告に来るのかな。
きっと、もう二度と会えないのかな。
そういう、ちょっとだけさみしい昼下がりを、ゆっくり、ゆっくあるいて過ごしました。